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☆- ハートランド あっぷるDiary -☆

2002/03 <<

[ 変わらない構図 ]
今日の午前中に精神保健福祉センター主催による作業所職員研修会があり眉山会館にスタッフ3名で出かけてきました。社会復帰施設の施設長による講演があり、その後作業所職員間での意見の交換という事になりました。一通りの精神保健施策の説明、社会復帰施設の説明、市町村への移管といったこれからの精神保健施策が語られていました。
地域での精神障害者の生活を支えるといった命題に対して、やはりいつもの変わらないこの構図となってしまうのは何故かと思うのです。
社会復帰施設の人が作業所の人を前にして語る、誰が地域を支えているかという事は別問題としても、ある意味一方通行な話はなかなか作業所の現実にはそぐいません。病院を離れて地域に出た今、本当に互いの役割やその限界みたいなものを確認していくための作業が行われているのかどうか…、ふと疑問にさえ思ってしまうのです。
私たちが知りたいこと、私たちが今一番聞きたいことは、社会復帰施設をどのように利用するであるとか、そういった問題や施策の説明ではなくて、日々の「しんどさ」を共有し、何が作業所という場所で出来るのかという事を考えるための集まりや時間のはずです。僅かに用意されていた質疑の時間、その短い時間の中で作業所の職員がメンバーの賃金の問題や働くことの意味など、少しでも共有したいとする思いのやりとりが行われていました。
その時間にこそ、本当に大切な私たち自身の思いが凝縮しているはずです。なかなか変わりゆかない構図の中に今があります。
2002/02/27(Wed) 曇り


[ HEARTLAND通信26号 ]
なかなか作成できなかったHEARTLAND通信が間もなく発送出来そうな様子、明日に印刷、明後日に発送となりそうな様子です。メンバーの一人、入院中の精神病院から「あっぷる」に通い続けている男性の文章を一足早く掲載したいと思います。

「あっぷる」そんな場所がある。私たちハンディを持っている人たちを心良く受け入れてくれる場所がある。
私は、そんな「あっぷる」で日々お弁当作りなどに汗をかかせてもらっている。店まで足を運んで下さるお客様がいる。そんな、私たちの日々を陰ながら見守り、時には、注意いただき、社会生活に近づくよう、日々毎日が送れるよう、支えて下さるスタッフがいる。お弁当を買って下さるお客様に支えられ、私たちメンバーの毎日があるように感じられる。私の解釈では、私たちメンバーは様々で、生活状況、家族構成、年齢、十人十色です。個性様々なメンバーに、時には癒され、時には鍛えられ、精神面で色々な勉強をさせていただいています。そんな「仲間」に出会うまでには、一人きりで病との葛藤が続く日々でした。私はそんな仲間を大切にしたい。そして、これから先の人生、様々な苦難もあるが、苦難の中でも、ささやかな幸せを感じられる今の仲間であって欲しい。                                      「あっぷる」メンバー 

2002/02/25(Mon) 晴れ


[ のんびりとした土曜日 ]
本当に久しぶりにりんびりとした土曜日を迎えました。ここ1月程は全国障害者地域共同作業所研修集会徳島大会の準備にドタバタの日々、大きなお祭りが終わりようやく平静を取り戻した感じがした今週でした。しばらくこれを口実に作製できなかったHEARTLAND通信に手を掛ける時間となりました。今月の原稿はメンバーの投稿をはじめスタッフの文章も「なかなか」のものが書き綴られていて、つい校正の作業も急ぎ足となっていきます。来週中には印刷を済ませ発送出来る予定となりそうです。
2002/02/23(Sat) 晴れ


[ レクリエーション ]
今日は午後から徳島県精神保健福祉センターの体育館をお借りして、レクリエーションの時間を過ごしました。「あっぷる」メンバー全員で出かけての体育館、バレーに始まり卓球・バトミントンとみんなで汗を流す時間となりました。ここ数回、ようやくみんなで「遊ぶこと」の立案や話し合いが出来るようになり、メンバーの笑顔も弾けていました。「しんどい」日々にあって何か小さな楽しみや喜びみたいなもの…、何気なく暮らしている中で「当たり前」の事が、やはり彼らには一つ一つ大変な事のようにも思えます。
全国精神障害者地域生活支援協議会からホームヘルプ事業に関する実施要項が届けられました。間もなく始まる精神障害者の居宅生活支援、ちょうど昨年の今頃保健所で実施したケアーマネージメントとホームヘルプのモデル事業。市町村の保健婦やヘルパーさん達との時間の中、色々と課題も山積みされている観が強くありました。
精神の障害という特性みたいな事、関わる事に対する「関係性」みたいなこと、何を具体的にどうヘルプしていくのかという、ヘルプへの具体性みたいなもの、ハードとソフトの絶対的な不足、市町村レベル等にまだまだ確立されていない精神医療や精神障害者に関する歴史と概念、さて役に立つべきものか否かは、やはり彼らに関わる「人」の在り方が大きなように今更ながらに思うばかりです。
2002/02/21(Thr) 晴れ


[ 春みたいな一日 ]
今日は穏やかな天気で春間近を思わせてくれる一日でした。数日前に「あっぷる」を卒業していった一人の女性の姿が久しぶりにこの場所にありました。仕事が休日との事、昨日の連絡の後に元気な姿を届けてくれました。色々な人が色々な形でこの場所を利用していきます。小さな場所の中に再生されていく個々みたいなもの、何をしている訳でもなく集い来る人たちの場としての「あっぷる」が確認出来ます。

午前中は徳島駅前で来客との時間、「あっぷる」を利用しての美術展の開催とその説明や主旨を聞くことになりました。全国大会が一段落、法人化に向けてのこれからの時間、必要と思われるものの優先順位をきちんと確かめながら、手に取るものを検討したいと思うばかりです。
広報や広域的な啓蒙啓発について色々と考えます。年に一度の交流企画に何百人集ったとか…、地域住民とのコンサートに大勢が集い、精神障害者への理解が深まった…とか、その事を否定するつもりは毛頭ありませんが、私たちは彼らと共にどう「日常」を創造していけるかだと思うのです。その意味では季節行事的なアプローチではなく、「あっぷる」という作業所での日々の活動そのものが大きな意味を持っていくと思うのです。年に一度の交流事業ではなく私たちは「日常」の問題として彼らと共に発信しなければならない事が多々あるように思えて仕方ありません。
2002/02/20(Wed) 晴れ


[ 看護学校で… ]
徳島県立看護専門学校の島田さんから連絡があり、今年度も学校で保健婦や助産婦さんになるべく人たちに精神保健の授業を行う事となりました。出会いやきっかけは偶然を含めて不思議なものがあります。難しい理論やわかりにくい言葉ではなくて、簡単な言葉で伝えていくこと、その情熱みたいなものに触れる事で大切な「きっかけ」となっていく事がしばしあります。新鮮な思いでわかり易くどう伝えられるか、向かいあう学生の中の一人でも精神保健の領域に道を取ってくれる人が現れるように努められればと願います。
2002/02/19(Tue) 晴れ


[ 午後からの話し合い ]
今日は久しぶりに「あっぷる」のメンバー全員が集合、しばらく話をする機会すら忙しさの中に持てなかった日々がありました。お弁当製造についての留意点、互いにメンバーとしてお弁当作りに携わる責任について、またそれぞれの役割の背負い方みたいなもの、そんな事についての互いの時間となりました。自分達の事として自分達の日常を形成していくこと、この当たり前とさえ思えることがなかなか時として困難になっていきます。遊ぶことも含みながら今後を考えていく作業が出来ればと思っています。
午前中は太陽と緑の会の杉浦さんと全国障害者地域共同作業所研修集会徳島大会の報告を兼ねた挨拶回り、徳島新聞社・四国放送・精神保健福祉センター・徳島保健所・精神障害者家族会連合会の美馬さん等を訪ねての時間となりました。盛況だった大会、これからに向けて大きな意味ある取り組みであった事を確認すると共に、また新しい出会いも含めた関係性を構築して行ければと願うばかりです。

昨日のスペシャルオリンピックでのライブも大盛況、腕は別としてもホールの機材はプロ並みの機材が用意され、演奏する側も自然と高揚した気分でステージに上がれました。山岡ダンス教室の山岡さんはじめ多くのスタッフ関係者の人たちに感謝したいと思います。
2002/02/18(Mon) 晴れ


[ バンド練習 ]
今夜は明日のスペシャルオリンピックでのライブ演奏に向けての最後の練習がありました。藍住町のスタジオ、いつもの時間にいつもの人たちが集っての練習、考えてみればこのメンバー達とも12年近くになりました。そもそも僕を除いたみんなが中学の同級生、一世代年上なのですが、以前勤務していた精神病院のクリスマスパーティーの練習に合流したのがきっかけでした。それ以来、徳島市内のライブや福祉施設の夏祭り等に随時参加、そんなバンド活動が続いてきました。
それぞれに仕事を持って、その合間に音楽を楽しむスタイルを一貫してきました。明日はキャパ300近くの文化の森の21世紀ホールで午後に演奏する予定となっています。

全国大会の後始末もほぼ終わり、いよいよ法人化に向けてのスタンスを確認しながらの来週となりそうです。
2002/02/16(Sat) 晴れ


[ 日常の日々に戻って ]
全国大会の余韻が残る1週間が過ぎました。昨日は日和佐保健所での家族教室、集まった家族数名の人たちが訳もなく「涙」の時間となりました。田舎故の差別や偏見みたいな事、一つ一つをかみしめていると、まだまだ本当の意味で僕たちが宿さなければならないリアリティーが、家族や当事者のものに辿り着いていない事を感じざるを得ませんでした。短絡的な批判は何の役にも立ちません、目の前の人を目の前の状況をどう眺め何を語るのか、わかりきった事を確認するたげの事です。

徳島大会の挨拶回り、会長の山崎さんと杉浦さんが後援機関への挨拶と報告を今日済ませて様子、お祭りは終わりまた日常の日々に戻っての活動が始まりつつあります。
2002/02/15(Fri) 晴れ

My Diary Version 1.21
[ 管理者:heartland 著作:じゃわ 画像:牛飼い ]